- 未婚シングルマザーへの支援はある?
- お金がない場合の出産費用&慰謝料は?
- お金が少なくても出産できる方法はあるの?
妊娠がわかって、新しい命の誕生を喜びながらも、事情があって結婚することができずに、シングルマザーとして生きていく決心をした方、とても大変な決断だったと思います。
特に、出産にかかる費用のことについては不安・・・、出産前後は働けないし・・・と悩んでいる方は多いのではないのでしょうか。
出産は病気扱いにならないので、健康保険は適応されずに、基本、出産費用は全額自費になります。
全てを自費払いにしたら、これからの生活を一人で担っていかなくてはならないのに、大変な重荷ですよね。
そこで、会社にお勤めの人にも、仕事をなくしている人にも、今現在生きていくことにやっとの生活をしている人にも、出産費用がなるべくかからないですむ制度をまとめてみました。
どこにも頼ることができずに悩んでいるシングルマザーの方に、お役に立てることを願っています。
国民健康保険・健康保険に加入している方
- 国民健康保険保険
自営業・農家・主婦・会社を退職した方。未成年の学生など - 健康保険
サラリーマン・OLなど民間会社で働いてる方・公務員など - 出産一時金
国民健康保険・健康保険に加入している人なら、子供一人につき42万円支給されます。
高額療養費制度
3割負担の健康保険が適応される治療費が、自己負担を上回った場合、治療費が支給されます。
一時金直接支払い制度
平成23年10月から、健康保険組合が出産育児一時金を直接病院へ支払う仕組みに変わりました。
直接支払い制度では、例えば42万を超えてしまったら、その差額を病院に支払えばよく、出産時にかかった費用が42万以下であれば、その差額が支給されます。
従来通りに、後日指定日に一時金を振り込んでもらうことも可能です。
民間会社にお勤めの方・公務員
出産手当金
産休中の生活のサポートを目的として、勤務先の健康保険から、標準報酬金額の3分の2が支給されます。
産休中は通常給与が支払われないため、この制度はありがたいですね。
傷病手当金
切迫流産やつわりで会社を休む場合、健康保険から標準報酬金額の3分の2の金額が支給されます。
所得税の還付金
年度の途中で退職した場合には、過払い分の所得税が確定申告により戻ってきます。
失業給付金
もしも退職した場合、雇用保険から支払われる失業保険です。
就業期間のもよりますが、給料の6割相当が被保険者であった期間に応じて支給されます。
(妊婦は特例措置で、受給期間を延長することができます)
健康保険に入れずに、生活に困窮している方
経済的な理由や何らかの事情で出産費用を用意できない妊産婦を対象に、出産費用を助成してくれる制度(助産制度)があります。
助産制度
(東京都の例)都内にお住まいの妊産婦の方で、その方の属する世帯が次の各号のいずれかに該当する場合に対象になります。
区・市によって、対象者の要件が異なる場合がありますので、お住いの区・市役所にお問い合わせください。
- 生活保護世帯・中国残留邦人等の円滑な帰国の促進及並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する支援給付受給世帯。
- 住民税非課税世帯
- 前年度に支払った『所得税の額が8,400円以下の世帯
(ただし健康保険等から給付を受け取ることのできる出産一時等の額が40万4千円以上の場合を除く)
なお、助産施設と認可している産院に入院することに決められています。
市・区・町・村によって、対象者の要件が異なる場合がありますので、お住いの役所にお問い合わせください。
生活保護を受けている方
出産扶助
出産扶助は、生活保護受給者が出産する場合に支給される扶助です。
原則として現金が支給されます。
基準額は、施設で分娩する場合、上限258.000円、居宅分娩の場合、上限249.000円です。
病院や助産施設での分娩の場合、8日間までの必要最低限の入院費用も加算されますが、個室費用は支給されません。
おむつやガーゼなど、衛生材料費として5.700円まで支給されます。
すでに生活保護受給者である方は、ご自身の担当者に相談してください。
あるいは理由があって働けなくなった等で、まだ生活保護の申請を受けていない方は、管轄の福祉事務所や管轄の健康福祉センター生活保護担当に申し出る必要があります。
生活保護の申請後、市区町村の担当員が申請者の家庭を訪問し、収入や預貯金などの実情を調査して、保護すべきか判断をします。
生活保護の支給申請から可否が決まるまで2~4週間かかります。
慌てることのないように余裕をもって準備しましょう。
出産扶助を利用して出産する場合、自治体の指定する病院や助産施設を利用することになります。
妊婦健診は自治体の補助で近所の産婦人科や個人病院などで受けることができますが、出産入院は指定の病院・施設に入らなくてはなりません。
しかも、指定の病院はまだ多くないので、実際は家から遠い、通うのに不便・・・という可能性もあります。
できるだけ早く福祉事務所に相談し、指定病院を知っておくことが大切です。
知っていると得をするお役立ち制度
医療費控除
一世帯の年間の医療費の支払額が10万円以上になった場合、税務署に確定申告することで、お金が戻ってきます。
出産費用の控除
出産費用も医療費として申請することで、支払った金額の一部が返金されます。
妊婦健診等の通院にかかった交通費や、異常が見つかった場合の健康診断にかかったお金も、出産費用として認められます。
妊婦中の腰痛の治療を目的とした貼り薬を買ったり、整体に通ったりした場合も出産費用に含まれるので、領収書やレシートは忘れずにもらうようにし、なくさずにまとめておきましょう。
妊娠中に、妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)や貧血の治療で入院や薬の投与などの医療行為が行われた場合も、保険が適応され、控除の対象になるのでチェックしておきましょう。
- 重度妊娠悪阻
- 切迫早産
- 切迫流産
- 子宮頸管無力症
- 妊娠高血圧症候群
- 前置胎盤の検査
- 逆子
- 死産 など
- 止血のための点滴
- 微弱陣痛のための陣痛促進剤の使用
- 吸引分娩
- 帝王切開
- NICU など
妊娠高血圧症候群等の医療費控除
妊娠により妊娠高血圧症候群などの入院治療をした場合の自己負担額が助成されます。
ただし、以下の条件に該当する方が対象となっています。
- 入院日数が26日を超える見込みの妊産婦
- 前年度の所得税が30.000円以下の世帯に属する妊産婦
助成は各自治体によってさまざまで、年度によって変更もあるので、役所窓口にお問い合わせください。
出産費用資金貸付制度
出産費用を貸付できる出産費融資制度があります。出産費用の前借りですね。
退院時に入院や分娩にかかった出産費用を払えない時に利用できます。
出産予定の一ヶ月以内で妊娠4ヶ月以上であれば、一時金の8割を貸し付けてもらえます。
健康組合によっては、9割貸し付けてもらえたり、全額貸し付けてくれるところもありますので、よく確認してください。
貸付金額の希望を聞き入れてくれることもあるので、自分が加入している保険窓口に問い合わせてみましょう。
出産費融資制度を利用した場合、無利子で貸し付けてもらえますが、返済時は出産一時金で精算されます。
母子手帳の写しの他に、出産予定日または妊娠4ヶ月以上であることを証明する書類などが必要です。
ただし最近はこの制度を廃止している自治体が多いので注意してください。
出産育児一時金委任支払い制度
出産後の退院時に、保険組合や自治体が出産育児一時金を直接産院に支払ってくれる便利な制度です。
お金が足りない、と思ったら早めに市区町村に相談しましょう。
限定額適用認定証を利用する
帝王切開など、高額療養費が適応されるケースにおいては、健康保険から一部費用が戻ってきます。
高額療養費の申請が必要になりますが、帝王切などは出産前に知らされていることもあるので、
経済的に負担になる費用の立替が困難な場合は、限定額適応認定証を活用しましょう。
限定額適応認定証は、協会けんぽの各都道府県支部に申請が必要です。
認定されれば、1週間程度で認定書が交付されるので、それを医療機関に提示します。
ひと月の支払額が自己負担限度額まで引き下げられます。
自己負担限度額は、負担できる能力を考慮することから、収入によって違います。区分が細かく分かれていますので、自分がどのくらいの支払い限度額となっているのか問い合わせてみましょう。
クレジット払いを利用する
クレジットで医療費を支払える病院が増えてきています。
出産一時金直接支払い制度を利用できない場合でも、クレジットを利用することで、一時金受取までの出産費用を立替えておくことができます。
通常クレジット払いは一回払いにすると翌月請求というケースが多くなっていますが、カード会社によっては翌々月振替という場合もあり。
一回払いでも、一時金の受取以降に請求がくることになり、利用できます。
無料検診を利用する
2007年度から厚生労働省の決定で、無料検診の回数を原則5回以上無料で受けられます。
クーポンを利用する
自治体によっては母子手帳を受け取る時に、検診内容で最もお金がかかる時に使用できるクーポンを1枚配布してくれるところがあります。
2万円近くかかる検診費用に使えるので助かりますね。
司法書士さんに頼る
借金を抱え、働かなければ収入ゼロになるような労働条件でも、司法書士さんに責務整理をしてもらい、過払い金が戻って少し軽減させることができました。そして少しずつでも借金の返済を続けて、出産したシングルマザーさんもいます。
基金センター〈NPO法人円ブリオ基金センター〉https://www.embryokikin.com/
「困難を乗り越えて産もうとする妊産婦に、その費用の給付または無利子貸付を行い支援する」募金を基金として、出産費や検診費を支援されているようですが、基本的には対象は生活保護、または非課税世帯に対応。
キリスト教団の団体(小さな命を守る会)
「中絶を思いとどまった女性に出来る限りの援助をします」
分娩予約金にご注意!
最近では、分娩予約が必要な病院が増えてきました。分娩予約数を管理することに加えて、高額な費用の踏み倒しを防ぐためです。
支払った予約金は、分娩費用の一部として当てられますが、各病院ごと、金額が異なったり、予約金が全く必要ない病院もありますので、自分が出産を予定している病院に確認しておく必要があります。
最後に・・・
シングルマザーのママは、国民健康保険に加入するか、ご実家のお父様の健康保険の扶養家族にしてもううと、妊娠・出産の際に、さまざまなトラブルがあってもとりあえずは安心できます。
健康保険が適用されると、、医療費として申告することができます。
妊娠に気がつたら、早めに手続をしましょう。
妊娠したけれどお金がない・・・とお困りの方は、まず福祉事務所に行ってみましょう。
何らかの役に立つ情報と出会えるかもしれません。
市に住んでいる場合は、その市の福祉事務所、町村に住んでいる場合は、都道府県の福祉事務所に問い合わせてみてください。
お金に困っても諦めないで!あなたを助けてくれる人は必ずいます。
生まれてくる赤ちゃんのためにも、大変な時には躊躇せずに、ぜひ声をあげてくださいね。
離婚・再婚に関する悩み相談については、以下のブログ記事も参考にしてください。
>>死別したシングルファザーとの再婚は難しい?再婚条件を決めておくべき?
>>父子家庭の再婚には反対?子供の気持ちを無視すれば再婚は失敗する?